8月2日に岡山県総社市に行ってきました!
総社市には実はその市名の由来になったとっても重要な神社があるのですが、今回はそちらへは行きません。
過去に訪れたことがあるので、その時のお話はまた過去編として記事にするかもしれません。
今回は総社市の市街地とは反対側、高梁川の右岸側(西側)を巡ってみました!
こちらは鉄道はもちろんバスも走っていないので巡るのは大変ですが、実は重要な神社も多いのです!
どんな旅になるのか楽しみですね!
目次
岡山県総社市へ!
まずは豪渓駅へ
今回は夏の18きっぷ一回目!
ですが早速ワープしちゃいます!
新大阪駅から新幹線の初電に乗って一気に岡山駅まで向かいます!
岡山駅からは在来線で伯備線の電車に乗ります。
乗った電車は今回もオレンジと緑の湘南色の電車でした!
今回は伯備線の豪渓駅で降りました!
豪渓とはここから6kmほど北にある風光明媚な渓谷のことで、この辺りの地名ではないそうです。
ちょっと紛らわしいですね!
磐座がすごい!「石畳神社」へ
豪渓駅から高梁川に架かる橋を渡って秦(はだ)というところへ。
高梁川に突き出た山の麓に「石畳(いわだたみ)神社」という神社があり、ここが最初の目的地です!
鳥居をくぐって石段を上ると社殿が建っています!
早速お参りしちゃいましょう!
社殿の横から山の上の方へと登っていける道があります。
ここを登っていくと…
このような大きな岩が崖に付き出しています!
この岩は石畳神社の御神体とされていて、古くから磐座、つまり神様の宿る岩として祀られてきたと言われています!
それにしてもすごい迫力ですね!
さて石畳神社について。御祭神は「磐座経津主神(いわくらふつぬしのかみ)」。
実はこちらの神社は1100年前に編さんされた法典『延喜式』に記されている神社、つまりおなじみ式内社です!
磐座があることからしても古そうな神社ですが、記録の上でも古い神社ということですね!
古くは御神体の岩石の真下に拝殿があったそうですが、昭和三十年(1955年)に橋が架けられるにあたって今の地に社殿が移転したようです。
御神体の磐座の辺りは景色が開けていて雄大な高梁川を見渡すことができちゃいます!
社殿の移転のきっかけになった橋もよく見えますね!
石畳神社の地図
同じく秦地区の「天神社」へ
石畳神社から南へと1kmほど歩いていくと「天神社」という神社が鎮座しています!
石畳神社と同じ秦というところですが、明治年間に複数の村が合併して秦村が成立したため、これを継承する秦地区では複数の神社あるのです!
境内はとっても開放的な印象!鳥居から神門、社殿までが一直線に並んでいます!
神門をくぐって早速お参りしちゃいましょう!
神門、拝殿、本殿とどの建物も瓦葺でかっこいいですね!
さて天神社の御祭神は「菅原道真公」。
天神社という社名はまさに天神信仰のことで、北野天満宮などと同じ菅原道真を祀る神社です!
こちらの神社の創建年代や由緒ははっきりしませんが、もしかしたらいつの頃か北野天満宮などから神様の分霊を迎えたのかもしれませんね!
天神社の地図
奈良の大神神社からの分霊?「神神社」へ
天神社から再び南へと歩いて行きます!
この日はとっても暑くて、写真のように日陰になるところもほとんどなかったのでとっても大変でした!
さてしばらく歩いていくと西側に特徴的な山が見えてきます!
この山は「木村山」。次の目的地はこの山の麓にあるのでそこを目指していきましょう!
木村山の方へと歩いていくと、八代というところに池に向かってボールを打つタイプのゴルフ練習場があります。
このゴルフ練習場のそばの道に鳥居が建っており、これが次の目的地の一の鳥居となっています!
ゴルフ練習場の池を回り込むようにして進むとようやく神社が見えてきました!
ここが次の目的地の「神(みわ)神社」!
石段を上ると社殿が建っています。
まずは参拝しちゃいましょう!
こちらの神神社は「大物主命(おおものぬしのみこと)」はじめ多くの神々を祀っています!
そしてこちらは『延喜式』に記されている式内社です!
こちらの由緒はイマイチはっきりしませんが、一説には奈良県桜井市の「大神神社」から分霊を迎えたとも言われています。
大神神社といえば本殿が無くて後ろの山を御神体にしていることで有名ですよね!
こちらでももしかしたら後ろの木村山が御神体だったのかもしれませんね!
ただ、元々は高梁川の反対側にあったと書かれている江戸時代の記録もあり、ここでの祭祀はあまり古くないのかもしれません。
神神社の地図
正木山の山頂にある「麻佐岐神社」へ
続いて再び道を北へと戻ります。
北側を見やるとこれまた山が見えますね!この山の名前は「正木山(まさきやま)」!
何を隠そう、次の目的地はこの正木山の山頂にあるのです!
ちなみにさっきの石畳神社や天神社は正木山の東麓にあたります。
それゆえ元来た道を途中まで戻ることになります!
正木山の南東側の中腹にサントピア岡山総社というリゾート施設があり、そこから登山道が伸びています!
入口には「古代吉備国の先進地域 秦へようこそ」と書かれた看板が立っています。さっきの秦へ戻ってきたことになりますね!
古代吉備国の先進地域とはどういうことなのでしょう?後ほどわかるかもしれませんよ!
入口からしばらくは比較的なだらかな道が続き、1kmほど進んだところに正木山登山口と書かれたところがあります。
ここから山頂までの1.2kmは急な山道が続くことになるので気を引き締めていきましょう!
入口から約40分ほど登り続けていくとようやく鳥居が見えてきました!
ここが次の目的地である「麻佐岐(まさき)神社」です!
鳥居をくぐると社殿が建っており、この辺りが正木山の山頂にもなっています。
まずはお参りしちゃいましょう!
お参りしたら本殿へ、ということで後ろへ回り込んでみると…
何と本殿がありません!
代わりに玉垣の中に複数の岩があります!
そう、ここも岩石を御神体とする磐座信仰の神社なのです!
さて麻佐岐神社について。こちらの神社も『延喜式』に記されている式内社です!
ただ、いつどのように創建されたのかは記録や伝承がなくはっきりしません。
とはいえ古くから正木山の山頂の岩を磐座として祀ってきたことは明らかですね!
山頂の麻佐岐神社と麓の石畳神社はセットになっているとも言われていて、石畳神社は辺津宮、麻佐岐神社は奥津宮とも呼ばれているそうですよ!
この麻佐岐神社で引き返してしまうのはとってももったいない。
実は麻佐岐神社から少し奥へ進んだところにとっても景色の良いところがあるのです!
ここからは正木山から南側の景色を見渡すことができますよ!
麻佐岐神社の地図
正木山の大きな古墳「一丁ぐろ古墳」へ
さてここで一つアクシデントが発生しました!
事前に用意してた地図では上記の景色の良い場所から南の麓へと下りられる道が記されていて、予定ではここを通るはずでした。
しかしいざこの場所へ来てみると道らしきものが見当たりません!
ちょっと辺りを探してみましたが麓へ下りられそうな道がありませんでした。
予定ではこの後、麓にある横田神社というところへ行くつもりでしたが、今回はそこを諦めてやむなく元来た道を戻ることに。
せっかくなので帰りはちょっと寄り道。
登山道からちょっと逸れたところに大きな古墳があります!
これは「一丁ぐろ古墳」という古墳で、古墳時代前期の四世紀前半に造られたと考えられています!
前方後“方”墳(後円墳じゃないよ)というちょっと珍しい形の古墳で、前と後ろに二つの四角形の墳丘がくっついた形です!
そしてこの古墳は全長が70mもあります。前方後方墳の中では岡山県では二番目、県南部では最大のものだそうです!
そして時期的にも備中国では最初の大規模な古墳になるそうですよ!
実はさきほどの前方後方墳は「1号墳」で、その近くには2号墳~5号墳があります!(ちなみに全て方墳)
そしてさらに周辺には小さな古墳がたくさんあって、調査では三十三基もの古墳が確認されています!
これらの古墳を総称して「一丁ぐろ古墳群」と呼んでいます!
大規模な古墳である1号墳を中心に、数m四方のいくつかの古墳、そしてさらにたくさんの小さな古墳、という形で古墳が分布しているのがここ正木山。
きっと高度な技術を持った人々が住んでいて、彼らがここにお墓を作ったのでしょう。
登山道入口の看板にあった「古代吉備国の先進地域」とはこういう意味なのですね!
「秦」という地名も有力な渡来系氏族の秦氏と関係あるのかもしれませんね!
一丁ぐろ古墳(1号墳)の地図
帰路&晩ごはん&おやつ
予定では横田神社が最後の目的地でしたが、経路変更でそこへ行くのはちょっと難しくなったため、今回はここで切り上げることにしちゃいます。
高梁川を渡って総社市の中心市街へと向かいます。岡山三大河川の一つだけあってとっても大きな川ですね!
ようやく総社市の市街地に到着!この日はとっても暑かったので総社市の市街地にあるうどん屋さんでうどんを食べつつ涼んでいました。
いい感じの時間になったところで帰りの電車に乗るために総社駅へ向かいます!
帰りに乗った電車がこちら!またまた湘南色の電車です!
ほんとによく出会いますね!
岡山から大阪へ戻るには山陽本線経由と赤穂線経由の二通りの経路があるのですが、今回は赤穂線経由を使います!
春に岡山を訪れたときも使いましたがとってものどかな路線ですよ!
播州赤穂駅に着いたら晩ごはんです!
駅直結のショッピングセンターにある「赤穂らーめん 麺坊」さんで名物の塩ラーメンをいただきました!
赤穂は昔から製塩が盛んだったところで、こちらのラーメンは赤穂の塩を使っているのだそうです!
駅からすぐ近いので、駅そば感覚で電車の待ち時間にササっと食べられるのも魅力!
総社でうどんも食べたので今回はシンプルに並のラーメンのみでしたが、サイドメニューもとっても充実しています!
「赤穂らーめん 麺坊」さんの地図
播州赤穂駅からは新快速で乗り換え無しで大阪まで戻れちゃいます!
昔と比べれば播州赤穂に行く新快速が減りましたが、夜には走っているのでこれに乗ると楽々です!
ちなみに上の写真で行先が「姫路」ってあるのは車両の不具合で、実際には野洲行きでした!
電車の中ではおやつもいただいちゃいました!
岡山土産のおやつといえば多くの人が「きびだんご」を思い浮かべますよね?
でもそれは素人の考え方。通はこの「大手まんぢゅう」を購入するそうです!
岡山県民の間では特に絶大な支持を集めているそうで、今回朝に岡山駅に着いたときに買っておいたのです!
薄い生地に包まれたお饅頭で、口に入れるとほのかな甘酒の香り。そして上品な餡が口の中に広がります!
一口食べてみると絶大な支持を集めている理由がわかります!
そうこうしている内に大阪に到着です!
まとめ
今回は新幹線と18きっぷで岡山県総社市のちょっとマイナーなところを巡ってみました!
この日はとっても暑くて歩くのも結構大変。しかも山登りもあったのでエネルギーを使い切った感じでした!
さらに水分補給のために大量の飲み物を持って行きましたが、めちゃくちゃ重かった上に汗をかきまくったせいで全然足りませんでした。
夏に巡るのはなかなか大変だなと改めて思い知ったところです!
そして今回は残念ながら行けなかったところもありました。
でもここで諦めることはせず、またいつか機会を作って再挑戦したいですね!